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生命保険の役割

生命保険の起こり

人間は昔から集落生活や大家族生活の中で、危険にあって不幸になったものをお互いに助け合うという共同保障の工夫をしてきました。しかし、産業が発達し、社会的分業が行われるようになり、家族の構成単位が小さくなってくると、一家の主な収入を得ている者が死亡した場合、残された家族の生活への影響はかつてないほど大きくなってきました。
そこで考え出されたのが、相互扶助の理念によって助け合う生命保険の仕組みです。 日本では、慶応3年(西暦1867年)、福沢諭吉がヨーロッパの近代的保険制度を紹介したことが 発端となり、明治時代に入って生命保険会社が設立されました。

生命保険の必要性

現代の私たちの家庭は、生活水準の上昇に伴って支出が増える傾向にあり、また、各種ローンの増大により家計における負債も増加しています。したがって、一家の働き手の死亡や入院などが起こると、たちまち収入と収支のバランスが崩れてしまいます。
私たちには、死亡や火災がいつおきるか分かりません。また、一方、長生きした場合でも、いつまでも十分な収入があるとは限りません。このように、私たちは、一生を通じて、常に収支のバランスが崩される危険にさらされているのです。したがって、私たちは、経済的に困らないよう、これらの危険に対して事前に十分な準備をしておくことが必要です。万一の場合に備える方法としては、相互扶助の精神から生まれ、危険が綿密に・分析・計算され、契約成立のその日から即座に大きな保障が得られる生命保険が最も合理的です。生命保険は、死亡や災害の場合の遺族の保障だけでなく、病気やケガに対する医療資金の確保や老後の生活を保障する方法としても、また、子どもの教育。結婚住宅などの資金を確保する方法としても、他の手段にはない幅広い機能をもっていますので、私たちの家庭にとって欠かすことの出来ないものです。 ここに生命保険が「人間の英知の結晶」といわれる理由があるのです。

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生命保険を必要とする社会的背景

核家族化と自己責任意識

わが国では、家族の構成人数が少なくなり、夫婦と子どもだけという少人数家族が多くなりました。この傾向を核家族化といいます。この核家族化に伴い、経済生活に必要な保障は自己責任において準備するべきであるという自己責任意識が高まりました。

参考:1世帯の平均構成人数
生活習慣病と災害

生活習慣病をはじめ、交通事故・労働災害などによる支障や疾病は社会的に大きな関心ごとになっています。一方、年齢別の死因をみると、若年層では不慮の事故や自殺によるものが多く、また、中高年層ではガン・心臓病・脳卒中などによるものが多くなっています。したがって、万一の場合の経済準備の必要性は、ますます大きくなってきています。

年齢階層別の主な死因
順位\年齢別20歳代30歳代40歳代50歳代60歳代
1位自殺自殺ガンガンガン
2位不慮の事故ガン自殺心臓病心臓病
3位ガン不慮の事故心臓病自殺脳卒中
4位心臓病心臓病脳卒中脳卒中肺炎
老後に対する不安の増大

戦後、わが国の平均寿命は飛躍的に延びてきました。平成14年簡易生命表によると男性の平均寿命は約78歳、女性は約85歳となっています。また、このような老後生活をゆとりあるものとして送るためには、老後生活資金の確保が重要な問題となっています。

  • 平均余命:各年齢者が将来平均して生きられる年数
  • 平均寿命:0歳の平均余命
参考:平均余命の推移
平均余命の推移(性別、年齢、年次別)
性別・年齢別\(年)昭和30年昭和40年昭和50年昭和60年平成7年平成14年
50歳22.7年23.0年25.6年27.6年28.7年30.4年
55歳18.9年18.921.4年23.4年24.4年26.1年
60歳15.3年15.2年17.4年19.4年20.3年22年
50歳26.5年26.9年29.5年32.3年34.4年36.6年
55歳22.4年22.6年29.5年32.3年34.4年36.6年
60歳18.6年18.5年20.7年23.2年25.3年27.4年
社会保障・企業保障の現況

老後の生活や家族の生活を守るための保障には、それぞれの家庭で自主的に行う個人保障のほかに、国や地方公共団体が行う社会保障、企業が実施している企業保障があります。

社会保障制度

社会保障制度には、健康保険、国民年金、介護保険などの社会保険制度をはじめ各種の制度があります。これらは、国民に一定水準の生活保障をするもので、国民が生活していくうえで必ずしも十分な経済的ニーズを満たしているとはいえません。また、社会保障制度のうち、国民年金などの年金保険は、主として老後の生活を保障する制度です。しかし、先で見たように、平均余命延びなどによる急速な人口の高齢化は、わが国の年金制度に重大な影響を与えるようになってきています。

公的年金制度
制度の仕組み20歳以上60歳未満のすべての国民が国民年金(基礎年金に加入しさらに、会社員、公務員などはそれに上乗せする形で、それぞれ厚生年金保険・共済年金にも加入する。
給付
  • 国民年金からは老齢基礎年金・傷害基礎年金・遺族基礎年金が給付される。
  • 厚生年金保険・共済年金は、国民年金のそれぞれの基礎年金にプラスして所得に比例した年金が支給される。
企業保障制度

企業保障制度は、企業が従業員の福利厚生制度の一環として実施しているもので、退職後の生活保障を目的とした退職金(一時金・年金)制度、従業員の遺族の生活保障を目的とした弔慰金制度などがあります。また、この他に従業員の財産取得のための財産形成制度が普及しています。

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※平成16年度一般課程テキスト(生命保険協会)より抜粋

 
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